お茶ができるまで
TEA PRODUCTION PROCESS
一杯のお茶が出来るまでに、お茶を植えてから収穫するまでに5年程かかります。
春の新茶を収穫する前の年から肥料を振ったり病害虫管理を行なって、やっと収穫が出来るようになります。
収穫してからも、製造、加工、焙煎いろんな作業が加わっております。ひとつひとつの積み重ねで、最高のお茶が出来上がってきます。
その中で、お茶との会話をしながら、人と人とを繋げる侘び寂びを思い描きながら、美味しいお茶を作りたいと思っております。
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1.収穫
今村茶園の茶畑は高千穂の峰から連なる霧島連山の麓に位置し、豊かな霧島の大自然に囲まれた茶畑は、東京ドームおよそ3個分の広さです。
一番茶の収穫が4月から始まり、秋冬番茶まで幅広く生産し、特に三番茶以降の県の生産量は全国の44%を占めます。
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2.搬送 – 生葉受入
新芽は摘み取られた瞬間から酸化が始まり、風味や香りが失われる可能性があります。そのため、摘み取った茶葉はすぐに工場に搬入され、加工工程に進みます。
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3.蒸し工程
茶葉の蒸し加工(蒸熱)は、茶葉の色や味、香りを決定づける最も重要な工程です。わずか数秒の蒸し時間によって味や香りが変わり、色も影響を受けます。深蒸し茶や浅蒸し茶などがあり、蒸した後は冷却され、次の加工工程に進みます。この工程は茶葉の品質や風味に大きな影響を与える重要な段階です。
蒸し加熱された茶葉は酸化が止まり、新鮮な緑色が保たれます。一般的な煎茶の蒸し時間は30秒程度で、深く蒸すほど色と味が濃くなります。
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4.粗揉 – 葉打ち
蒸した茶葉をそのまま高温で放置すると味や香りが劣化するため、冷まして品質を保持します。その後、葉打ち機で蒸した葉から水分を取り除きます。さらに粗揉(そじゅう)機に入れ、強い力で揉みながら熱風で乾かします。
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5.揉捻
「揉捻(じゅうねん)」は、茶葉に力を加えて水分を均一に広げる作業です。この工程で特に大切なのは、「強く揉むか、弱く揉むか」という選択です。この選択が、お茶の味や香りの仕上がりに影響を与えます。揉む力の強さによって茶葉の形状や風味が変化し、弱く揉むと形が保たれつつ風味がゆっくり変わります。揉捻の工程は、お茶の特性や職人の技術によって、お茶の独自の個性が形作られます。
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6.中揉 – 精揉
中揉(ちゅうじゅう)で茶葉をふたたび揉みながら熱風で乾燥させ、茶葉を細く伸びた形に整えるため、精揉(せいじゅう)の工程に入ります。日本茶は長らく、人の手で心を込めて揉む方法で製造されてきました。
念入りに手を加えながら、水分を取り除き、乾燥を進めながら、人間が手で揉むように一定方向にだけ揉みます。緑茶独特の細く伸びた形に整えていきます。
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7.荒茶の完成
荒茶は製茶工場で熱風乾燥を行った後にできる加工されたままのお茶のことです。形が不均一で水分も多く、長く貯蔵できないため、荒茶をさらに乾燥させ、木や茎などを取り除き、色選(茎選別)、篩分け(サイズ調整)形を整える加工を施します。
1930年代までの製茶工場では、「選り子」と呼ばれる女性達が、手作業で茶葉から木茎を取り除き、製品にする作業を行っていました。
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篩(ふるい)がけ
大きさの大小、重い部分・軽い部分、などを分けながら形状を整えていきます。さらに風力で軽い部分と重い部分に選り分けます。
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切断
切断機で篩 (ふるい) を通らない大きい茶の部分を切断します。荒茶の形を整え、大まかに粉や茎、本茶を選り分けるのが目的です。
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色彩選別
人の肉眼では検出が不可能な微細な異物や色彩を感知するカメラにより茶葉の選別を行なっております。
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8.袋詰め
お茶の品質を保つため、完成したお茶は直ちに規定の分量に袋詰め、荷造りし、販売のために鹿児島県茶市場へ出荷されます。それぞれの大海袋には30kgの茶葉が詰められます。
9.仕上げ
商品性を高め、香味を向上させます。仕上げ工程には、火入れ、合組などの工程もあります。荒茶と仕上げ茶は、パッと見ただけでは違いがわからないのですが、仕上げ茶工程によって、乾燥の程度、茶葉の大きさや形などの揃い具合、色や香りなどがひときわ良くなります。
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焙煎
ドラム型焙煎機を2台使用し、荒茶の水分を5%から2%に留めるよう焙煎します。焦げや青臭さを避けるため、嗅覚を研ぎ澄ませながら嗅ぎ分け、火加減を調整していきます。
温度は100℃~130℃の間で調整しています。外気の条件も影響しますので、雨の日は焙煎を避けます。全ての条件が調和すると、甘く香ばしいお茶が完成します。焙煎後、冷却し、さまざまな品種をブレンドして味のバランスを調整します。
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合組
合組(ごうぐみ)とは、お茶をつくる工程において、複数の茶葉をブレンドさせる事です。合組を行うには、品種、蒸し具合などが異なる荒茶の特長を見極める必要があります。目、鼻、舌、手触りなど感覚と経験を活かして荒茶の特性をひとつひとつ敏感に感じ取り、お茶の味を作り上げる表現技法として取り入れています。