
畜産業からお茶造り
今村茶園の歴史は1940年代にさかのぼります。当時、創業者である今村ヒサエがこの地で畜産業に従事していた中、茶の需要が高まったことをきっかけに、茶の栽培に可能性を見出し、徐々に茶畑の規模を拡大していきました。
霧島市は古くから日本有数の茶の産地として知られており、その肥沃な土壌と霧島連山の豊かな自然環境が茶の栽培に最適な条件を提供しています。この地域は、日本茶の歴史において重要な役割を果たしてきました。このような恵まれた土地において、今村茶園はその基盤を築き、大地の恩恵を活かして茶の生産を行ってきました。
写真中央に見える建物は、もともと牛舎として使用されていたものであり、茶園の起源を象徴する存在です。(現在は焙煎工場として使用されています。)こうした始まりから、茶園は世代を超えて進化を続け、国内外で高く評価される茶生産者へと成長してきました。
また、近隣に位置する鹿児島空港は、人々の出会いや別れ、そして物語を紡ぐ場所として存在しています。茶園もまた、この地を訪れる人々に霧島の魅力を伝えながら、地元と世界をつなぐ役割を担っています。
撮影日: 1982年(昭和57年)5月21日 出典: 国土地理院(鹿児島空港開港10年後)

一貫生産の基盤
しかし、茶の樹が収穫可能な状態に成熟するまでには数年を要するため、当初は茶栽培だけで生計を立てることは難しい状況でした。そのため、茶の栽培と並行して牛の飼育も行いながら生活を支えていました。やがて茶の生産が安定し、品質と規模の両面で成果を上げることができるようになると、茶栽培に専念するようになりました。
義治の時代には、茶園はすでに約18ヘクタール(東京ドーム4個分)にまで拡大していました。彼は製造、加工、焙煎に至るまで、茶の生産のすべての工程を管理できる工場を設立し、一貫したシステムを構築しました。彼の技術的な専門知識と茶への情熱の融合が今村茶園の成長の基盤を築き、未来に向けたさらなる進化の道を切り開きました。

最高の一杯を求めて
初代義治の姿を近くで見ていた広嗣は、父が日々重ねる苦労を目の当たりにし、「自分は絶対に茶園を継がない」と心に決めていました。国立鹿児島工業高等専門学校で機械工学を学び、卒業後は三菱系企業でエンジニアとして働きました。その安定した日々の中で、家業の厳しさがどれほど大変かを幼い頃から身をもって知っていたからです。
しかし、2004年、茶園の需要が増加し、多忙を極める状況の中で、茶園を支えるため27歳の時に帰郷を決意します。風に揺れる緑の茶葉と静かな山々。彼にとってその風景は、新しい挑戦への期待と不安が入り混じる幕開けを感じさせました。
茶作りの知識がほとんどなかった広嗣にとって、最初の数年間は苦難の日々でした。
「思い通りにお茶が育たない」
「何を試しても納得のいく味にならない」
という日々の中、ふと頭に浮かんだのは若い頃、父と静岡で飲んだ露地茶の鮮烈な香りと深い味わいでした。その記憶は、広嗣にとって心の支えとなり、理想のお茶作りへの原点となります。
失敗を重ねながらも、試行錯誤の中で得た知識と経験が少しずつ結果となり、広嗣は理想に近づく感覚を得ました。そして2013年、36歳になった広嗣は、父から代表としての役割を受け継ぎました。
これまで培ってきた経験と情熱は、伝統を守りながら未来を見据えた茶園の運営に活かされています。苦労を乗り越えながら、自然の恵みと向き合い、最高の一杯を求めて挑戦を続けています。

霧島の恵みが育む特別な茶葉
今村茶園は、鹿児島県霧島市の豊かな自然に広がる茶園です。霧島連山の麓に位置し、高品質なお茶を育む理想の環境に恵まれています。鹿児島県は日本国内で茶の生産量が第2位を誇り、茶葉は力強い旨味と甘み、豊かな香りで高い評価を受けています。
霧島の湧き水はミネラル豊富で茶畑を潤し、茶葉に力強い生命力を与えます。また、標高の高さから生まれる澄んだ空気が、茶葉に爽やかな香りと深い味わいをもたらします。自然が織りなすこの環境が、今村茶園のお茶を特別な存在にしています。
霧島の四季折々の美しい景色と豊かな自然の恵みが、今村茶園のお茶に静けさと活力を宿しています。
Imamura Tea & Kagoshima Highlights
今村茶園と鹿児島茶
鹿児島県は、日本有数のお茶の産地であり、その規模と卓越した品質で広く知られています。
今村茶園は、総面積200,300㎡の茶畑を有し、この地域の豊かな自然環境と調和しながら茶の栽培を行っています。
Plantation’s total field area
Kagoshima’s rank
Kagoshima’s raw tea output
Third harvest production
鹿児島県は、日本国内で茶の生産量が第2位を誇り、年間生産量は26,700トンに達します。特に三番茶以降の県の生産量は全国の44%を占めます。各シーズンの茶葉の可能性を最大限に引き出す伝統と技術が受け継がれています。
今村茶園では、鹿児島の自然が育む恵みと豊かな茶文化を大切にし、高品質なお茶を皆さまにお届けしています。私たちの茶園は、伝統を守りながらも未来を見据え、茶葉一枚一枚に想いを込めたお茶作りに取り組んでいます。鹿児島の大地の力と茶への情熱が詰まった一杯を、ぜひお楽しみください。
Company Overview
Company
今村茶園
代表 今村広嗣
Address
〒899-5113 鹿児島県霧島市隼人町嘉例川655-15
Contact Information
Tel 0995-43-9162
Fax 0995-43-9260
Hours of Operation
営業時間 10:00 – 17:00
定休日 日曜日・祝日
Certifications and Qualifications
認証と資格
今村茶園では、厳格な認証を通じて高品質で安全なお茶をお届けしています。茶の生産と加工における適切な管理を示すASIAGAP認証や、日本の有機JAS規格に準拠した有機JAS認証を取得しています。これらは、持続可能な農業や環境への配慮、そして一貫した品質への取り組みを反映しています。世界中で信頼される茶園として、安心してお楽しみいただけるお茶をお届けすることに努めています。

有機農産物
有機農産物生産工程管理者
•認証番号: 1097
•認証対象となる農産物の種類: 有機農産物
•認証の法的根拠: 日本農林規格等に関する法律(昭和25年法律第175号)
•認証に適用される規格: 有機農産物の日本農林規格
•認証における技術基準: 生産工程管理者および海外生産工程管理者に対する有機農産物および有機飼料の技術基準(選別や選別のみを含む工程を経たものに限定)

有機加工食品
有機加工食品生産工程管理者
認証番号: 加工 1108
• 認証対象となる農産物の種類: 有機加工食品
• 認証の法的根拠: 日本農林規格等に関する法律(昭和25年法律第175号)
• 認証に適用される規格: 有機加工食品の日本農林規格
• 認証における技術基準: 生産工程管理者および海外生産工程管理者に対する有機加工食品および有機飼料の技術基準(選別や選別のみを含む工程を経たものに限定)

ASIAGAP
認証登録番号: MIC-S-A460000095
ASIAGAP 初回認証日: 2017年 6月 8日(他認証機関より移管)
更新認証日: 2025年 2月 3日
有効期限: 2027年 6月 7日
発行日: 2025年 2月 3日
ASIAGAP 農場用 管理点と適合基準 茶 Ver.2.3 改定第1版
• 認証の種類: 個別
• 認証農産物の分類: 茶
• 品目名: 緑茶(生葉、荒茶)
• 認証対象セクター: BⅠ(栽培・摘採)・BⅢ